恐怖を受け入れ、彼らは大人になっていく…映画『it / "それ"が見えたら、終わり。』はただのホラー映画ではない。…ジャンルはホラーだけど。
どうも、ましゅ公です!
明日、『it / the end”それ”が見えたら終わり 』を見に行こうかなと思ってます。
こちら2017年に公開された映画の続編、という形になるんですが…
私…
一作目、見てないんですよね。
そもそも私、ホラーとか超苦手で。
見ちゃうと夜中暗い家の中をおちおち歩けないです…。
昔、フリーホラーゲームで『青鬼』ってあったじゃないですか?ブルーベリーおじさんがひたすら追っかけてくるゲーム。あのゲームを怖いもの見たさでやったのですが、しばらくの間部屋の明かりを消して寝られませんでした←
しこたま電気代が東京電力に吸い込まれていくし、精神衛生上まるでよくないためホラーとは縁を切ったのですが、
会社の方と雑談していたら意気投合して映画に行くことに。
どうしたんだ、私。
なんでやねん、私。
でもまあ、約束をしてしまった。
してしまったからには…ねぇ? 断るなんて女が廃るわ!
ということで、『it "それ"が見えたら、終わり』をレンタルして観ました!
ホラー映画と名高い『it』。けれどもただ怖がらせるだけの作品ではない!
結論から言うと…全然怖くなかった。
あらすじはこんな感じです↓
ある街で、子供が行方不明になる事件が立て続けに起きた。一人目は女子生徒、そしてもう一人は今作の主人公の一人、ビルの弟ジョージー。
ジョージーは雨の日、一人で外に遊びに行ったまま、帰ってこなくなった。
仲間と共にジョージーの行方を探すビルは、街の”秘密”を調べている少年、ベンから不思議なことを聞く。
この街には、27年周期で大勢の子供が行方不明になる事件が発生している。
そして今がちょうどその27年目だ、と。
ジョージーはその”事件”に巻き込まれたのか?
捜索を続けていくと、少年たちはついに恐怖”に遭遇することとなる…
ペニーワイズと通過儀礼
面白いなと思ったのが、ただのホラーかと思いきや、友情や青春、恋といった甘酸っぱい要素も含んでいる、という点なんですよね。
街に起こる怪奇現象を探っていくうちに深まる友情、
紅一点の仲間・ビバリーと、少年たちの不安定ながらも微笑ましい関係
強大な敵に立ち向かう勇気…
ホラーを観ているはずなのになんだかヒューマンドラマを観ている錯覚に陥るほど、少年たちの言動にも心が奪われます。
ネットで色々評価を観ていると、現代版スタンド・バイ・ミーみたいだと言っている人が多いんですよね。
ペニーワイズって、結局なんだったの?
ピエロの姿をしたペニーワイズ。
映画ポスターでも、ピエロのペニーワイズが描かれています。
けれども彼、皆が皆ピエロに見えているわけではなく、「その人が一番恐れている存在」の姿に化けて現れるのだそう。
だからピエロに見える子もいれば、ゾンビみたいな成りに見える子もいる。
…なんだか不思議ですよね?
結局、ペニーワイズは「壁」だったのだと思います。
子供の頃って想像力が豊かで、例えば風に吹かれるカーテンを見れば「幽霊がいたずらをした」と思うし、おばけが本当にいて、悪いことをしていると自分をさらいに来てしまうと恐怖したりします。…皆さんも幼い頃、そんな今ではクスッと笑っちゃうような恐怖に、怯えていたりしませんでしたか?
しかしそんな恐怖も、大人になるにつれていつかは(気づかないうちに)克服するもの。
その克服こそが、大人へのイニシエーションの一つなんです。それをわかりやすく具現化したのが、このペニーワイズなんだと私は思います。
実際、映画ラストシーン、ペニーワイズを撃退して河原に集まった子供達はどこかたくましく成長していたように感じます。
弟の死を受け入れようとする兄。
逃げ回っていたけど最後は恐怖と立ち向かった少年。
自分の境遇を力づくで変えた少女。
彼らは皆、この作品を通して精神的に、人間的に、成長していました。
でも、中にはその壁を乗り越えられない子もいる。
乗り越えられないとどうなるのか…? それは、作中ナイフで父親を殺してしまった少年が良い例なのではないでしょうか。
確かに人が殺されたりグロかったり、万人に手放しで「いい映画」とオススメすることはできません。
けれども、一つのヒューマンドラマの形として、「こんな映画もあるよ」って勧めたいなと私は思いました。
まあピエロのペニーワイズは怖いんだけどね!!!怖いからドッキリホラーが苦手な人は絶対に観ない方が良いんだけどね!
気になった方、せっかく今は『it / the end』が公開されているので、ご覧になられてはいかがでしょうか?そのまま続編が観れますし!
それでは!
※『it / the end』を観終わって
先週の週末、観てきました!
少年たちが大人(いいおっさんとおばさん)になっていて、ピエロはSFホラーチックな成りになることもあって、一作目とガラリと変わった感じがありました。前作のように惹き込まれる恐怖はなく、前作の伏線をひたすら回収しまくって完結、という。みんな大人になっちゃったのはなんかちょっと辛かった…
でも、ペニーワイズ=イニシエーションのための試練、というのは変わっていなくて、むしろ強まっていた気すらします。
私は原作は読んだことがないけど、改めてちょっと読んでみようかな…と思いました。